【謹賀新年】 新年のご挨拶とモノづくりについて

【謹賀新年】 新年のご挨拶とモノづくりについて

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。ノボル電機、猪奥です。

旧年中は本ブランドのリリース、サイト開設にブログ開始とデビューの年となりました。
不慣れな運用にお付き合いいただき、またご高覧頂き感謝申し上げます。

本年はスマホ用無電源スピーカー「拡音器」のご紹介はもちろん、実際にノボル電機製作所の商品を体験していただけるショールームを東京代々木にオープンを予定していたり、現在企画中の新商品のリリース等々、新ブランドとして勝負の二年目になります。
ブログを見て頂いている皆様に楽しんでみて頂けるように本執筆も頑張りたいと考えておりますので、本年も引き続きのご支援をお願い申し上げます。

さて、前回のブログで、『次回投稿(本投稿です)を「拡音器誕生秘話」をお送りしたい』と発信していましたが諸般の事情で、スマホ用無電源スピーカー「拡音器」のモノづくりについてお送りすることとなりました。
よろしくお付き合いください。

 

モノづくりのこと

当社は、自社で企画・開発・調達・加工・組立・検査・販売・アフターサービスを一貫して行っています。広い意味ではこれらすべての工程がモノづくりですが、本稿では、少しだけ狭くとらえ、製造の仕事、材料の調達(仕入れ)から加工・組立までを取り上げたいと思います。

 

調達のこと

部品によっては、専門工場にお願いして完成部品として納めてもらうものもありますが、アルミ鋳造で製造した部品などは、鋳造品を納品してもらってから社内で加工したり、機械加工専門工場に依頼したりして形状を変えたり、塗装という工程を経て、組立を行える状態に仕上げる部品もあります。

調達する部品の中には、NMP-001の外観でもある円錐状のホーンマウスというラッパの形状が印象的な部品もあります。これは、一枚の丸いアルミ板を回転させながら、棒を押し当てて少しずつ形状を塑性加工の手法である「ヘラ絞り」という技法で作られています。
当社に納品されるホーンマウスは、既に専門工場で加工を行った状態です。

【部品として納入された未塗装のホーンマウス】

 

加工・組立のこと

スマホ用無電源スピーカー「拡音器」の当社で行う加工は、アルミ鋳造で製造した部品に、スマートフォンを挿入する穴(挿入口)を削り出す作業からスタートします。
写真は、のこぎりで大まかに穴をあけた後に、汎用フライス盤で仕上げている工程です。
大量生産品であれば、自動旋盤での機械加工が適しておりますが、機械加工は大量に作る必要もあり、また加工のための初期投資も膨大です。「拡音器」は小ロット生産のため柔軟な対応ができるように現在は手加工を行っています。

【のこぎりでの挿入部加工】

【汎用フライス盤での加工】

アルミ鋳造で製造した部品やその他塗装部品は、協力会社でもある大松工業株式会社様で、塗装をお願いしています。雑貨・ガジェットの「拡音器」の塗装としてはオーバースペックかもしれませんが、下塗り・上塗りを行い、焼き付けを行っています。こちらは、業務用の風合いを再現するために工業塗装とまったく同じ工程で塗装をしています。パッと見の見た目には現れにくい部分ですのでコストや利益を優先するなら、こっそりと下塗りを無くしても良いのかもしれませんが、『業務用をベースに開発した堅牢性』と言えるだけの本格志向の一端です。
先日、私も塗装工程を見学させていただいだいたのですが、立体的な形状でもあるスマホ挿入部を均一に塗料塗布する姿は大阪の職人技を感じました。外観の美観に関する部品ですので、1つ1つ丁寧に仕上げて頂いております。
  
【部品塗装】

拡音器を正面から見た時に中央部にレフレクターという部品があり、その先端に品番等を刻印したアルミ板(銘板)を取り付けます。アルミ板(銘板)への刻印は社内の打刻器で1枚1枚打刻していきます。こちらも大量に同じものを生産するのではなく、1台1台異なるシリアルナンバーを刻印しています。

【銘板への打刻】


【NMP-002の銘板 No.013が本機体のシリアルナンバー】

加工や塗装を経たすべての部品がそろい、組立に着手します。塗装や加工が完了した部品を組み立てていきますので、傷をつけないように一つ一つ熟練の技能者が電気ドライバーやエアードライバー、ハンダを使って各部品の組立に当たっております。
工業生産品ですので、作業指導書といった組立順序やコツ、注意点を記載したマニュアルを用意しており、熟練の技能者と言えど「思い込みによる間違い」が起こらないよう作業開始前に作業指導書を再度確認してからの作業開始となります。
  
【NMP-001と他商品の組立】

組立を終えた商品は、検査工程を経て梱包され、受注に応じて出荷していきます。
自社の紹介や歴史・技術についていろいろと書いてきましたが、肝心の販売商品に関しての記載が手薄になっていましたので「スマホ用無電源スピーカー 拡音器」のモノづくりについてお届けしました。

最後になりましたが、本年もノボル電機製作所をどうぞよろしくお願いいたします。

株式会社ノボル電機
製作所事業担当 猪奥元基