【需要調査】アルミ製小物ケースのこと
こんにちは、ノボル電機、猪奥です。
製品PRと市場調査の取組として、3月9日~10日の2日間、京都市勧業館みやこめっせで行われた第3回京都インターナショナル・ギフト・ショー2022に出展し、「拡音器」をお取り扱いいただける販売店様の開拓及び新商品の市場調査を行っておりましたので、前回のコラムに引き続き、ご紹介をさせていただきます。
参考出品
今回はスマホ用無電源スピーカー 拡音器 NMP-001・NMP-002の2機種の他、金属加工により作成したアルミ製小物入れを参考出品として、展示会に持って行きました。
これは、直販イベントなどで当社ラインナップが2機種しかなくブランドコンセプトや世界観に共感いただけたにも関わらず、購入に至らないユーザー様が多数いらっしゃったことを受けて、何か購入しやすい価格帯で別のガジェットを提供できないかと思いを巡らせ、試作した製品です。
【参考出品したアルミ製小物入れ】
アルミ製小物入れ
スマホ用無電源スピーカー 拡音器は、業務用拡声器をベースに開発しています。
今回の「アルミ製小物入れ」も拡声器の部品の一部を転用したガジェットです。
よく見て頂くと、ケース部が変わった形をしているのですが、こちらが拡声器(特に構内放送用のスピーカー)の後方についている業務用防水キャップを転用したものになります。
拡声器の後方には、出力インピーダンス(音の大きさ)を調整できる切り替えピンがあり、それを覆っている防水用キャップはアルミ製で特徴的な形をしています。
それを転用して、アルミ製小物入れを作りました。
拡音器NMP-001にも後方に丸形の少しくぼんだところがありますが、ここに穴あけ加工をして防水キャップを付けられる構造になっています。
蓋部は、アルミの掘削加工なので任意のデザインが可能ですが、今回は丸型と六角ボルト型で蓋を試作しています。
プロダクトアウトから発想の転換を模索
製作所事業の商品は、当社の主力製品であるスピーカー本体や、使用される部品、生産設備をそのまま活かしたモノづくりをしているため、どうしても企業側の事情が優先される構造となり、いわゆるプロダクトアウトに近い商品開発となってしまっています。
「町工場あるある」でよく聞く独りよがりの商品企画の王道を突き進んでいるという自覚もありました。
・いきなりの製品化には需要があるのか?
・需要があるとすればいくらなら検討のテーブルに乗せて頂けるのか?
・そもそも2センチ程度の小物入れで受け入れていただけるのか?
等々、手探りでの試作品であり不安も多く商品化には尻込みしていました。
そこで展示会という場を活用して、小売の最前線にいらっしゃるバイヤー様のご意見を頂くために、展示台にこそっと置くことにして、需要調査を行うことにしました。
【展示ブース 写真手前右端にそっと置いたアルミ製小物入れ】
需要調査
展示会出展の主たる目的はスマホ用無電源スピーカー「拡音器」の取扱店開拓(販路開拓)でしたので、参考出品した小物入れの需要調査は副次的な取組で注力することが出来なかったという反省はありました。
限られた力の配分ではありましたが、2センチサイズの小物入れとして紹介してもよくわからないと思い、≪小さな粒上のものが入る≒お薬を入れられるのでは?≒ピルケース≫という連想から、『アルミ製ピルケースの参考出品・マーケティング出品でバイヤー様の反応を見ています』と紹介することにしました。
いざ、バイヤーさんに話を聞いてみると事前に連想したピルケースの評判は最悪で、薬を持ち運ぶのには適していない・1週間分を持ち運べないと使いにくい、という否定的なご意見が大勢を占めました。
そこから、迷走のはじまりです。
「アルミ製小物入れ」目当てで足を止めて頂けたバイヤー様もいらっしゃり、
バイヤー様「これは何ですか?」
ノボル電機製作所『実は決まってなくて、何だと思いますか?』
という冗談のようなやり取りが発生する場面もありました。
需要調査に応じて頂けたバイヤー様にこの場を借りて感謝申し上げます。
方向転換
前述のように、スタート時は「ピルケース」として紹介していたのですが、バイヤー様へのヒアリング(半ば丸投げの泣きつき)を通じて、受け入れていただけそうな各種商品像として『指輪入れ』『メモリアルケース』『塗香入れ』等々のご助言いただくことができ、迷走状態から光明を見つけることが出来ました。
迷走状態を脱却した中盤以降は、上記商品像をヒアリングの切り口に、需要調査を行い、応じて頂けたバイヤー様の評価も賛否両論ぐらいまでは持ち直すことが出来ました。そして何よりの収穫は、賛否のご意見を頂戴するなかで改善点や課題、ブラッシュアップの方向性を見つけることが出来ました。
今後
参考出品した状態から、もう一捻りも二捻りも改善が必要です。もちろん、製造コストと販売価格が市場に受け入れて頂けるのかの見極めもこれからですが、「小物入れ」の製品化へ向けて、もう少し藻掻いてみようと考えることが出来ました。
本コラムをご覧の方で御興味や色味や蓋部分のデザイン等でご意見ご要望等ございましたら、お問い合せフォームよりご一報いただけると幸いです。
株式会社ノボル電機
製作所事業担当 猪奥元基