改めまして、皆様こんばんは。ノボル電機、猪奥です。

 

　この度、オンラインショップをオープンさせていただき、改めて私たちについて自己紹介をさせて頂きます。

■ノボル電機製作所のこと

　私たち、株式会社ノボル電機は昭和20年に創業、創業75周年を迎えた大阪府枚方市の業務用拡声音響装置の製造メーカーです。

業務用拡声音響装置といってもなかなかピンとくる方は少ないと思います。

　皆様の身近なプロダクトといえば、移動販売車や広報車のスピーカー、清掃車のオルゴール放送、防水型メガホン、漁船向けの汽笛や防災行政無線のスピーカーなど、どこかで存在を感じてもらっていたであろうプロダクトを製造してきました。夕方に防災行政無線から流れる「夕焼け小焼け」のメロディーや放送、清掃車の「赤とんぼ」のオルゴール音、学校や警備員の方がお持ちの誘導用のメガホンやバスガイドさんが手に持たれているマイク等々、業務用で拡声（声を大きくするため）の機器を作っているモノづくりの会社です。

　そんな私たちが創業以来ほとんど形を変えず現在に至るまで主力として製造しているのが「ホーンスピーカー≒拡声器」です。

　大阪本社に展示している過去75年分の製品を眺めながら、私たちは考えました。

「最新のデジタル技術を駆使した音響機器が多数リリースされている今だからこそ、シンプルにモノとしての魅力を見出せないだろうか？」

「リアルで美しいサウンドは出せなくとも、人に安らぎを与えられる音なら作れるのでは？」

　そうした考えの元、決して製品として優秀では無いけれどもなぜかそこに愛着を感じたり、そばに置いておきたくなるような製品象を目指すこととなりました。

不器用な製品の開発プロジェクト『ノボル電機製作所』のはじまりです。

 

■製品のこと

　製品第一弾として、音圧に優れたレフレックス型ホーンスピーカータイプをリリースし、2021年9月1日から10月31日までの二か月間、クラウドファンディングに挑戦させていただき、2か月間で800%近いご支援を頂戴することができました。

　第一弾製品（スマホ用無電源スピーカー「拡音器」NMP-001）は、防災行政無線や大規模工場や町工場の構内放送で利用されている音圧に優れたレフレックス型ホーンスピーカータイプで、ホーン部はヘラ絞り加工によりアルミ丸板を円錐状に加工。工場や広報の現場で採用していただいてる、一般的な業務用ホーンスピーカーの構造を採用したデザインです。

　第二弾製品（スマホ用無電源スピーカー「拡音器」NMP-002）は、コンテナ船や自動車運搬船・護衛艦といった大型船舶で実際に艦載していただている船舶用スピーカーをベースに、海の荒波に耐えれるアルミ鋳造製でコンパクトな頑強な筐体を活用し、ラインナップの拡充をしました。

■ノスタルジックに広がる優しい音響

構造は至ってシンプルで、くぼみ部分にスマートフォンを差し込んで使用していただきます。電源は使わずに、ホーン部の3層構造の音道による反響を活用し音を大きくしているため、アウトドアやガレージではもちろん、毎日の掃除や調理中、電源が離れた場所で楽しめます。防水性能はありませんが、排水機構を備えているため、屋外でも利用いただけるように設計しています（防水性能はお使いのスマートフォンの防水性能に依存します）

スマートフォンからの音楽やラジオの音声が、内部機構のチューブ部・レフレックス部・ホーン部を音が通ることによって反響し、ノスタルジックな味わい深い音に増幅されます。

■業務用のデザインを踏襲した武骨な佇まい

　昭和20年に創業して以来、75年間、拡声音響装置ひと筋で歴史を紡いできた当社ならではの技術が詰め込み、NMP-001/NMP-002ともに実際に使用されているホーンスピーカー設計を踏襲しています。また、業務用ならではの風合いのある無機質な存在感を引き立てるため、抑制の効いたカラーリングを採用し、業務用と同じ焼き付け塗装を行っております。

拡声器特有のフォルムや手触り、重みや風合いを存分に楽しんでいただき、時間をかけて良きパートナーにしていただければと願っています。

■拡声器ひと筋で歴史を紡いできたからこその技術

　製品としての音響性能を担保するため、音響試験専用の無響室という特殊な試験室で、周囲騒音や反響による影響が出ない環境で測定を実施しています。これにより、増幅に隔たりが出ないように、単一周波数の正弦波による4点の周波数から算術平均値を算出し、+10デシベル以上の増幅性能を実現しました。

　もちろん、1台1台、大阪府枚方市の自社工場で熟練の技能者による生産・検査を行って、自社工場から皆様に出荷し、お届けしております。

■今後について

　第一弾・第二弾とスマホ用無電源スピーカーをリリースしておりますが、今後は当社が紡いできた歴史と技術を土台として、「不器用なガジェット」のブランドコンセプトに沿ったスマホ用無電源スピーカー以外のBtoC商品を世に出していきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

株式会社ノボル電機

製作所事業担当　猪奥元基