【NMP-002】 艦載用スピーカーについて
こんにちは。ノボル電機、猪奥です。
前回は「ものづくりについて」と題して、NMP-001の生産をお送りしました。今回はスマホ用無電源スピーカー「拡音器」の第二弾、NMP-012についてお送りします。
NMP-001の調達から組立までについては、前回の「【謹賀新年】 モノづくりについて」に投稿しておりますので、こちらも併せてご高覧いただければ幸いです。
今回は、NMP-012の開発のベースとなった艦載用スピーカーについてお送りします。
船に関する用語は、厳密には法律で定められた定義がありますが、専門的な話は割愛して、私でも理解できた範囲でざっくりとお送りしていきますので、ご了承下さい。
艦載用スピーカー
艦載用と書くと少し解り難いですが、プレジャーボートや漁船、旅客船や貨物船などの船舶に使用する汽笛やスピーカーのことです。船舶には大小様々な種類の船があり弊社でもそれに合わせた汽笛やスピーカーを取り揃えています。その中でもNMP-012はタンカー船やばら積み船、自動車運搬船といった大型の船舶に艦載され、船内のコミュニケーション手段として活用されているスピーカーを基に設計されています。
大型の船舶
造船業は日本の高度成長期を支えた主力産業でした。1970年頃には世界の造船の半分を日本が作っているぐらい、主力・花形の産業でした。世界シェア1位、約50%の船を日本で作っていたという事実に驚きです。その後、中国・韓国の台頭もあり、現在では世界シェア3位ではありますが、日中韓の3か国で90%を超える船が建造されています。
製造元は、三菱重工業や川崎重工業といった大手重工系と、今治造船や名村造船所などの専業の造船所が大型の船を建造し長さが数百メートル、積載重量が数トン以上も積める巨大な建物のような構造物です。
【建造中の大型船舶】
船の各部の名称
船は最前方の船首から、中央部分にかけて甲板(デッキ)と言われる場所があり、運搬船は甲板(デッキ)部分が運搬する荷物に適した形をしています。
後方部分には、船橋(ブリッジ)と言われる船全体を見渡せるような高い建物があります。
船の一部になぜ「橋」という名称が使われているのか調べてみると、船の歴史とも関係しており、その昔、前後左右の安全を確認するため全体から視認する必要があり、船の高所に右舷から左舷にかけて橋のような通路を作り、船全体に進行方向を指示していたようです。そこから船橋(ブリッジ)になったとか。
現在では、船橋(ブリッジ)で操舵されているようになっているので、そのイメージを強くもっていましたが、昔は監視台だったんですね。
船橋(ブリッジ)のこと
船の操縦は、船橋(ブリッジ)の中で行っています。
船は操縦ハンドル(「舵輪(だりん)」や「操舵ハンドル」と言われています)で方向を決め航行します。映画等で大きな木の輪っかの舵を見られたことがある方も多いかと思います。
水を押し出して推進力を生みだすプロペラの後ろにある舵が、操縦ハンドル(舵輪)に合わせて動くことにより、水流の方向が変わり船を左右に動かすことができます。操縦ハンドルを右に動かすと船も右に動きます。
映画でみる「取舵いっぱい」は『左に操作ハンドルを限界まで回せ』という意味らしく、十二支で方角を表していた時代の【酉(とり)の方向に舵を切る】こと、「酉の舵」が転じて、取舵になったとか。
本ブログ執筆用に少し調べたのですが、船舶関連機器の納入業者として、今更ながら勉強になりました。
もちろん現代では、GPSやレーダーなどの計器も見ながら舵取りが行われています。
【大型船舶の船橋(ブリッジ)外観】
船内指令装置のこと
大型の船舶を運航するためには、船長をはじめ、機関士、航海士、甲板部員などなど、様々な職務をもった船員の連携が必要です。長さ数百メートルの巨大な構造物でコミュニケーションをとる手段として、電話装置と船内指令装置というものが使用されています。
スマホ用無電源スピーカー「拡音器」NMP-012のベースとなった艦載用スピーカーは、広範囲の乗船者を対象とする伝達手段としての船内指令装置で使われます。
船内指令装置は、全乗船者に対する一斉指令、船内の特定場所にいる者に対するグループ呼出し、あるいは船橋、船首及び船尾の乗組員に対する操船指令の同時伝達などができます。
船は1隻1隻、運ぶ荷物や用途によって個別最適化されているので一概には言えませんが、私が見学させていただいた大型の船には、船橋(ブリッジ)の入り口付近に設置されていたのと後部の甲板に設置されていました。
アルミ鋳造製の重厚なつくりは、船の屋外で利用される=洋上という潮風や雨など、過酷な環境に耐えるために必要な強度だと改めて感じたことを思い出しています。
【船橋(ブリッジ)入り口に設置されている艦載用スピーカー】
ブログを始めて自社の紹介や歴史・技術についていろいろと書いてきましたが、肝心の販売商品に関しての記載が手薄になっていると前回気付き、「スマホ用無電源スピーカー 拡音器」にフォーカスしたタイトルを2週に渡りお届けしました。
NMP-012の販売ページはこちら
次回からは、外部の方にスマホ用無電源スピーカー「拡音器」について、ご質問いただく機会を頂戴しましたので、本ブログで拡音器誕生秘話として、お伝えしていきたいと考えています。
株式会社ノボル電機
製作所事業担当 猪奥元基