【モノづくりのこと】治具について
会社の紹介や掲載のご報告が続いていたので、本日はモノづくりについてお送りします。
わたしたちノボル電機は、「大量生産」と「一品特注モノ」の中間にある多品種少量生産の量産工場です。
多品種少量といえば、国内工場の多くが発信しているのでありふれた表現かもしれません。当社では、差別化のために「中量生産」という単語を使っています。最近は、業界によって少量の概念が違うことに着目し、『年間100台の量産工場』とか『3桁のモノづくり』と具体的な数字を入れて、少量のイメージを具体化しようとしています。
当社のモノづくりについては、コーポレートサイトにも掲載しておりますので是非ご一読ください(PRです)
https://www.noborudenki.co.jp/ems/
□量産工場としての矜持
昨年、クラウドファンディングにチャレンジさせて頂いた際は、192名と多くの方にご支援をいただきました。
クラウドファンディングでは期間終了後に製品を生産し都度出荷するため、支援者の下に製品が届くまで数週間から数カ月必要になるのが通常のスケジュールと言われたことがあります。
それが一般的で普通かもしれませんが、
当社では量産工場の矜持というか町工場の意地というか、クラウドファンディングの期間終了後の翌日には全数出荷し、支援者様のお手元にお届けました。
なぜ翌日出荷が出来たかというと
▸支援者数の推移から、最終的な需要予測を立て部品を先行手配
▸少しずつ正確な支援数予想を固めつつ、仮の生産数でラインを抑える
▸過度な在庫にならないよう支援者数の動向を日時管理して生産を微調整する
▸出荷段取りを行い、翌営業日に宅急便の引き取りを待つ。
文章に書くとこんな感じですが、当社は量産工場でありながら小口需要に応え続けているので、上記のようなオペレーションを日常的に行っています。
フレキシブルに対応するのが多品種少量の機動力ですが、年間100台でも生産手法は量産です。そんな量産性を担保しているのが、多種多様なジグです。
漢字で書くと「治具」ですね。←入社するまで読めませんでした。
【治具の写真】
これらは、みんなが同じ品質のモノづくりが出来るように作る生産用の器具で、私は定規のようなものだと思っています。
正確に表現すると
「加工や組み立ての際、部品や工具の作業位置を指示・誘導するために用いる器具の総称」らしく、英語のjigを無理やり漢字表記した当て字が治具です。言い得て妙。
個人の癖を「治」す道「具」 ということでしょうか。
これにより、技能者の職人的な勘を道具で再現できるようにして、一定の訓練を行った技能者であれば同等レベルの品質を提供できるようにしています。
もちろん、スマホ用無電源スピーカーNMP-001/NMP-002の製造にも治具を活用し、高品質な製品を効率よく組み立てられるよう工夫しています。
製品の量産には治具以外にも、高度な需要予測、適正な材料の確保、柔軟な生産計画、効率的なライン構築、技術の継承など必要なことは非常に多いです。その辺の話しも今後出来れば良いなと思っています。
株式会社ノボル電機
製作所事業担当 猪奥元基