
【活動報告】新製品企画の右往左往 その1 新事業開発ゼミ
こんばんは。ノボル電機製作所の猪奥です。
今回は、昨年参加させていただいた「新事業開発ゼミ CHANGE」についてとその延長で事例紹介として登壇した「デザイン経営セミナー」についての二つの話題を2回に分けてお届けし当社の新製品開発の右往左往をお届けします。
□新事業開発ゼミ CHANGEとは
ノボル電機製作所の新製品を企画するために昨年、新事業開発ゼミに参加したのですが、結論から先に書くと、商品企画は頓挫し、現状のラインナップを拡充していくことになりました。
新製品の発表ではなく、「生みの苦しみ」を赤裸々に告白し新製品を出せない言い訳を書き綴っていこうと思っています。
まず、新事業開発ゼミ CHANGEについてですが「中小企業が持続的に成長していくために、新事業開発の手法を学び、各々が保有している技術やノウハウを活かした新商品や新事業の開発に取組む(池田泉州銀行HPより抜粋)」という内容で、池田泉州銀行が近畿経済産業局の中小企業知的財産支援補助金を活用して実施しているゼミ形式の新商品開発ゼミです。
大阪府、兵庫県、京都府の企業13社が参加してスタートし、全8回開催されました。
内容として、新事業開発が必要な理由や開発までのプロセスについて、の講師の有限会社セメントプロデュースデザインの金谷代表と三嶋取締役の講義があり、これをふまえて我々受講者が自社に宿題として持ち帰って自社分析を行い発表する。そして、その発表内容に対して講師から指摘やアドバイスをもらうといった壁打ち方式で進んでいきます。
時間の関係で全員が発表できるわけではないので、分析(宿題の資料作成)にも力が入り、「何がしたいのか」「どうありたいのか」からひも解いて、「何ができるのか」「どう組み合わせるのか」を真剣に考え、言語化する非常に濃い内容のゼミとなりました。
□参加した感想
ゼミ自体は、毎回3時間半と限られた時間で7~10社前後の発表と壁打ちがあり、個々の内容が濃密なことに加え、他社事例の宝庫でもあり、新製品企画を考える上で参考事例も豊富で非常に刺激的な半年となりました。
ゼミ当日の講師との壁打ちも気づきや示唆に富んでいましたが、講義後の打ち上げでの事業者間交流や講師とのコミュニケーションもあり、また事務局である池田泉州銀行のフォローも充実しているので、来年も継続実施されるのか分かりませんが、もし募集があるようなら新製品企画で悩まれている方にはおススメのセミナーです。
なお、セミナー初期に「販売以外の目標を設定する」という課題があり、当社は『BtoB事業(業務用機器の製造業)を育てるために、別ラインナップとしてのBtoC商品開発を行う』というテーマを設定しました。
□頓挫した商品企画
実際、私も自社分析や強みの洗い出しなど改めてゼロから実施して、新製品案を100本以上作り(無理くりひねり出しただけですが)かなりの時間と気力を投下して取り組み、終盤で6案新製品企画としてプレゼンしたのですが、、、
結果は酷評。
今回プレゼンした商品企画の一部ですが、
①拡声器オーディオNMP-101の筐体を使った手遊びガジェット「無限に推せるスイッチ」
不器用なガジェットのコンセプトを踏襲しつつ、筐体を活用することでアッセンブリーのメーカーとしてのノボル電機を訴求していけると思っての企画です。
②低価格で購入でき、ノベリティーとして配布しやすい廉価版のスマホ用無電源スピーカー
「金属製」「段ボール製」に続き、厚紙など材料をコストダウンしつつ、持ち運べるサイズ感を追求したら用途が広がるのではと思っての企画です。
③メガホン型の栓抜き
手元に拡声器を置いてほしい。その思いだけで企画しました。
などなど、個人的には面白いと思って企画案にまとめたのですが、最後の詰めまでたどりつけずいったんお蔵入りにしました。
(ご興味あるバイヤー様がおられましたらお声がけください)
ちなみに、こちらの3案以外にちょっとノイローゼ気味になりながら100案超の企画案を考えていたので、ランナーズハイみたいな状態での企画案になっていますことご容赦ください。
製品化できるレベルの企画に昇華できなかったこともありますが、一番ダメなのは、企画者の私自身が酷評をバネにブラッシュアップできなかったことです。
これまでも商品企画時は賛否両論あり、お褒めの言葉をもらうこともあれば、否定や嘲笑などのマイナス意見も多く頂戴しながら製品化したり、廃案にしたりしてきたのです。
特にBtoC事業に参入するきっかけともなった第一弾商品「スマホ用無電源スピーカー」を企画した当時は、社内外で起こった否定的な反応や酷評を突破して一部の好意的な評価を頼りに突き進めたのですが、今回は私に馬力がなくなったのか、企画案に自信がなかったのか、マイナス評価を覆すだけの熱量が起こらず、企画案としてお蔵入りにすることにしました。
ゼミに参加した一番の成果は、これまでなんとなく「新製品企画をしなきゃ」と漠然とおもっていたことが、なぜやりたいのかを言語化できたことです。
前述しましたが『BtoB事業(業務用機器の製造業)を育てるために、別ラインナップとしてのBtoC商品開発を行う』が根っこにあり、その目的に沿った商品企画を数百時間にわたって向き合った結果が「思いつかない」という袋小路であったことは、絶望に近い挫折感もありましたが、これまで「隣の芝は青い」とばかりに漠然と抱いていたことに区切りを付けられたことは大きな前進です。
というのも、新製品開発は「目的達成の1つの手段」だと思えたことで、別の方法で目標を達成しようと方向転換ができました。
これも中途半端に思い付きで取り組んだのでは得られない結果で、半年間集中して、ステップを踏んで検討した結果だからある種の納得感を持って、諦めることができました。
ノボル電機製作所としては、これまでのラインナップを拡充していく方向性を堅持して、まずは「船舶ブルー」の一般発売を4月1日に行います。
そして今後はスタックアンプNMP-101シリーズにエフェクターや5バンドイコライザーなどの関連品を開発していく既定路線を維持していき、『BtoB事業(業務用機器の製造業)を育てる』という目的は別の手段で達成できるよう頑張ります。
今回は新製品企画の右往左往としてお届けしました。
次回は「新事業開発ゼミ」から派生して、「デザイン経営セミナー」に事例紹介として登壇させていただいたのでその感想など、お届けします。
以上
ノボル電機製作所
猪奥元基
