【当社の歴史】オルゴールアンプのこと

【当社の歴史】オルゴールアンプのこと

こんにちは、ノボル電機、猪奥です。
昨年コラム「【技術と歴史】その2 車載用アンプ編」にて、ゴミ収集車用の「オルゴールアンプ」について書きましたが、先日(9月6日)朝の情報番組の朝生ワイドすまたんという番組内の「とれたてリサーチ」というコーナーで【ごみ収集車の音楽】というテーマで特集されていました。
オルゴールアンプを製造している会社は発売当時から当社だけ(詳しく調べていませんが)だと思うので、面白そうと思って番組を視聴し、その後独自に調べてみました。

番組内容
神戸市のゴミ収集車は音を鳴らしていないが、尼崎は鳴っている。
自治体によって流れている音楽が違うの?
なぜ赤とんぼが多くの自治体で流れているの?
といった疑問に答えていました。

自治体職員の方のコメントとして「ごみ収集車が到着して家庭ごみの収集作業中であることを市民皆様にお知らせする役割がある」と紹介されていました。
自治体によって鳴らす音楽が異なり、赤とんぼが採用されている自治体が多い。
その理由を専門家に聞いたところ、「昔は袋ではなく、ゴミ箱ごと外にだして中身を回収してゴミ箱は家庭に返却するため、ゴミ収集が終わったことと、一日の終わりを告げることが似ているため、終わりを告げる代表曲として有名な赤とんぼが採用された」という趣旨のことを話されていました。
番組HPにユーチューブ動画がアップされていたので詳しくは下記を参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=KDqmj5rzyRU&list=PLZgGjVl9DT3e7aFN32UzFiW6i0kiQaQQX&t=11s


以前の投稿「【技術と歴史】その2 車載用アンプ編」はこちら
https://noborudenki.com/blogs/contents/技術と歴史-その2-車載用アンプ編

ゴミ収集車にフォーカスしたリサーチなので、製造元である弊社のことやオルゴールアンプについてはまったく触れられていませんでしたが、コラムのネタになるかな?と思い、社内でオルゴールアンプについてベテランさん達に聞いて回りました。

発売し始めたのが60-70年前の話なので、当社のベテランも先輩から伝え聞いた話を断片的に覚えているにとどまり、信ぴょう性は低いです。勘違いの可能性も有るため「製造元の見解」のようなかっちりしたものではなく、『一説』としてお送りします。

▸1950年代(昭和30年代)に、「ゴミ回収が終わったことを住民の皆様に簡単にお知らせする方法がないか」という自治体様からの要望があったような気がする
▸当時、当社は真空管式アンプではなくいち早くトランジスタ式の車載アンプを開発し、車載アンプ市場に攻勢をかけていた
▸設計担当者は奇抜なアイデアを出す方だったので、知らせる手法としてオルゴールを思い立ったのではないか? そして機械式のオルゴールを拡声するアンプを開発した。
▸当時、調達先であるオルゴールメーカー様が標準的に提供されていた定番曲から数曲をシリーズとして発売したら、「赤とんぼ」が一番売れ、定番化していく

色々と聞いてまわりましたが、赤トンボを指定する自治体さんが多くよく売れたことは覚えているとのことでしたが、開発経緯については半世紀以上前となり、確証もなく、肝心のなぜ赤とんぼなのかは分かりませんでした。
現在当社が発売しているオルゴールアンプの収録曲は赤とんぼ・五つ木の子守唄・お猿のかごや・エリーゼのために・乙女の祈り・故郷の空・おうま・草競馬の8曲ですが、初期設定では赤とんぼが鳴るように設定されており、現在も赤とんぼを指定される自治体様が多いです。


株式会社ノボル電機
製作所事業担当 猪奥元基